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杭ナビはICT施工に革命をもたらすのか?

2代目杭ナビとしてTOPCONのLN-150が発売され、さらに杭ナビをマシンガイダンスとして活用できる【杭ナビショベル】が話題となっています。

これにより、従来のICT建機よりも小型なバックホウのマシンガイダンスが可能となり、中小規模現場でのさらなるICT活用が期待されます。

目次

これまでの杭ナビ

杭ナビは、ワンマン測量で座標取得や杭打ち作業をもっと手軽に行えるように考えて作られた自動追尾トータルステーション。

トータルステーションなのに正準作業がいらない、後方交会法により任意点に設置できるなど、とにかくユーザーが簡単に使用できることを考え抜いて作られたことが分かります。

また、杭ナビ標準アプリであるTopLayoutだけでなく、快測ナビと連携させることで利用用途が一気に拡大。

そんな杭ナビですが、初代であるLN-100では欠点がいくつかありました。

杭ナビLN-100の欠点

機器の特性上仕方のないことですが、杭ナビには望遠鏡が付いていません。
構造物などの通りを目視でチェックできないのは残念です。

また、杭ナビは自動整準と後方交会法での任意点設置に優れていますが、既知点設置が苦手です。
一応既知点設置できるようにレーザー求心はありますが、やはり目視できないと心配になるユーザーがいることも事実。

そして最後に使用可能範囲。
杭ナビの使用可能距離100m、高度角 ± 25°です。

特に高度角については、他の自動追尾トータルステーションとの性能差が明らかでした。

杭ナビLN-150は改善された点

LN-150で最も改善された点は、やはり使用可能高度角でしょう。
LN-100の高度角± 25°に対し、LN-150の使用高度角は+55°から-30°。

これにより今まで以上に高度差がある現場でも使用できるようになりました。

あと忘れていけないのが杭ナビショベル。
有償アップグレードになりますが、LN-150がマシンガイダンスシステムのセンサーとして使うことができます。

杭ナビショベルの実力は?

現在、ICT建機のMC/MGはGNSSを使うのが主流ですが、杭ナビショベルでも相応の性能が出せるのでしょうか?

まず性能の前に注目したいのが、杭ナビショベル利用時の敷居の低さです。

GNSSではICT建機を使う前に基準局の設置(VRSの場合は不要)や、ローカライゼーション作業が必要になります。
一方、杭ナビショベルではこのような専門作業がいらないので、ICT施工導入の後押しになることは間違いないでしょう。

肝心の性能ですが、刃先精度はGNSSよりも高精度です。
GNSSが水平で±30mm鉛直±40mm程度で収まるのに対し、杭ナビショベルは水平鉛直±10mmの精度が出ます。

しかしそんな杭ナビショベルにも弱点はあります。

一つ目はプリズムの追尾についてです。
杭ナビショベルでは、バックホウに取り付けたプリズムを杭ナビが常に追尾していることが前提条件。

なので機械の旋回や、現場によってはダンプの往来でプリズムがロストしないように注意する必要があります。

二つ目は追尾距離。
LN-150の追尾距離は130mなので、現場の規模によっては機械の据替作業が必要に面倒です。

一方GNSSを使ったRTK-GNSSでは、衛星受信環境が良好なら基準局側の補正データを受け取れる範囲どこでもマシンガイダンスが可能。
また、通信距離も取り付けた無線機性能に依存するため、例えばアルインコのXEDC35Mならアンテナの視通が悪くても1kmは届きます。

このように、杭ナビショベルにはデメリットがあることも忘れてはいけません。

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